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●引っ越しは夜明け前に。
暗い中、重い巣箱をひとつひとつ運びます。
5月中旬、栃の花が咲き始めるのを確認して、みつばちの巣箱は約2ヶ月間過ごした吉野谷から白峰の百合谷(びゃあこだん)に引っ越します。これからがとちみつのシーズンです。
引っ越しは、まだ夜も明けない午前3時半ごろから始まります。あたりはまだかなり暗いので、懐中電灯の光をたよりに作業をします。このような時間帯に作業を始めるのは、まだみつばちたちが活動を始める前に巣門(巣箱の出入り口)を閉めてしまわなければならないから。明るくなると働き蜂たちがさっさと蜜を集めに飛び立ってしまうので、巣箱を引っ越しさせることができなくなってしまうのです。仕事に行っている間に家がどこかに行っちゃったら大変ですものね。
夜の間もみつばちは眠っているわけではありません。暑い巣箱の中を避けたり、巣箱の中に入りきらない蜂たちが夜でも巣の出入り口付近にうようよと固まっているので、まず燻煙器で煙をかけます。みつばちは煙が嫌いなので巣の中に逃げていき、外には出てこなくなります。そこで巣門を閉めて全部の蜂を巣箱に閉じこめてしまいます。
巣門を閉めた巣箱はトラックに乗せて百合谷に運びます。巣箱は吉野谷村に持ってきた3月時と比べて、蜂の数がぐっと増え、蜜もある程度たまってきているので10〜15キロぐらい重くなっています。2段に積まれた一箱が40〜50キロもあるのです。これをひとつひとつトラックに積み、また百合谷に降ろすという作業はかなり重労働。腕も足も腰もガクガクです。
●栃の花を追い求めて
巣箱を引っ越しさせた時点では、巣箱を置いた百合谷の栃の花はまだ少し早いのですが、百合谷よりも低い場所では花が咲き始めています。みつばちは半径2〜3キロの範囲の蜜を集めますから、そこはもう充分に通勤圏内(?)です。栃の花は山の低いところから高いところへと、日を追って順々に咲いていきます。みつばちたちは、その花を追いながら、花の季節が終わる6月中旬までとちみつ集めに精を出すのです。
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蜂が外に出ないように燻煙してから出入り口を閉じます。燻煙の煙は麻布を燃やしたもの。植物性の煙ではみつばちはおとなしくなり、ウールのような動物性の煙ではみつばちは怒って暴れるのだそう。 
まだ薄暗い中、巣箱をひとつひとつトラックまで運びます。巣箱は重いだけではなく、大きくて持ちづらいので運ぶのは大変です。

新緑が美しい百合谷に整然と並べられた巣箱。さあ、これからが本番です。みつばちたち、頑張っておいしいとちみつを集めてね〜!
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