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●とちみつの採蜜、まっさかり。
百合谷に巣箱が引っ越した日から数日すると、早くも巣箱からはちみつをとりだす作業(採蜜)が始まります。
採蜜はまだ薄暗い朝5時頃から始め、午前中の早いうちに終わらせてしまいます。みつばちが花から集めてきたばかりの蜜は余分な水分が多い不完全なはちみつなので、そのような蜜が混ざらないように、蜜蜂が新しい蜜を持ち帰る前に完熟のはちみつを取りだしてしまうのです。(詳しくは、『完熟はちみつとは?』をご覧下さい)。
採蜜のときの服装は、養蜂家のトレードマークとも言える細かい網目の面布(めんぷ)をつけた麦わら帽、ジャンパー、ゴム手袋、長靴。蜂に刺されるのと汚れを防ぐために重装備(おおげさ?)です。作業を始めた頃は白い息が見えるような気温でも、日が昇るとだんだん暑くなってきます。中は汗だく、外ははちみつがついてベトベト。本当に苦労の多い仕事です。
●養蜂家の苦労が報われる瞬間。
みつばちたちにとっては大災難!?
蜂場(はちば─蜂を置いてある場所)に着いたら、まず、燻煙して蜂たちをおとなしくさせます。加藤さんの巣箱のほとんどは箱を2段に積み重ねたものですが、1段目の箱は蜂子がたくさんいるのであまり採蜜することはなく、はちみつを採るのはもっぱら2段目の上の箱です。
巣箱の中から巣を1枚取り出すと、たっぷり詰まったはちみつと巣に群がっているみつばちでずっしりとした重さがあります。この巣を上から下へと勢いよく振り下ろして手を止めると、その勢いでみつばちたちがひとかたまりにバサッと下に落ちます。いくら燻煙していても、さすがにみつばちたちはビックリ! 怒ってあたりをブンブン飛び回り、文字通り蜂の巣をつついたような大騒ぎになってしまいます。でも、養蜂家の加藤さんはさすがに慣れた様子で、全く気にせずもくもくと作業をしていきます。
振り落としてもまだ巣にしがみついている蜂を専用のハケでそーっと落としたら、蜜蓋(みつぶた)を包丁で切り落とします。蜜蓋とはみつばちが蜜を貯蔵するためにかぶせたもので、この蜜蓋のむこうに黄金色のおいしい完熟はちみつがたっぷり詰まっています。おいしいはちみつを採るためとはいえ、重くて持ちにくい巣を片手で支えながらの作業なので、長時間続けると手が痛くなってしまい大変なのだとか。
きれいになった巣は、遠心分離器に入れます。加藤さんが使用しているのは8枚掛遠心分離器といって、8枚の巣を入れることができます。この数はひとつの巣箱に入れてある巣の枚数と同じです。遠心分離器をグルグルと素早く20秒間ほど回したら、巣の中のはちみつが出てきて遠心分離器の中に溜まります。巣8枚でだいたい5升分、重さにして12〜13キロぐらいものとちみつが採れます。養蜂家の苦労が報われる瞬間です。
採蜜時にはこのとちみつを一斗缶につめるだけで終わりですが、最終的には濾過して不純物を取り除き、製品化されます。
採蜜を終えた巣は、みつばちたちが作り足した余計な巣の部分を切り落として平らにしてから、また元の巣箱に戻します。
せっかく集めた蜂蜜を人間にぜ〜んぶ取られてしまって、みつばちたちがちょっとかわいそうな気がします。でも、また元気に新しい蜜を集めに出かけていくので大丈夫。栃の花が咲いている期間中は4〜5日もすれば、また巣箱はとちみつでいっぱいになるのです。
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巣箱の中が暑かったり中が飽和状態だったりすると、夜中でも蜂が入り口付近に出ています。たくさん蜂が出ている巣箱にたくさんはちみつがあるとは限らず、夜遊び好きな蜂が出てきているだけの場合も…。 
巣箱の中に煙をたくさん送り込んで、みつばちをおとなしくさせます。

巣にはびっしり蜜蜂がくっついていて、見ているだけで鳥肌が…(冷汗)。加藤さんが巣を一振りするとほとんどの蜂が一度にバサッと落ちてしまうのでビックリ!

黒っぽく光って見えるのがとちみつ。包丁で切り取っている部分が蜜蓋です。

遠心分離器に巣を8枚セットしたところ。

中身がからっぽになった巣はこんな色です。みつばちはたくさん蜜を貯められるように巣の高さを継ぎ足します。採蜜後は継ぎ足した分が邪魔になるので出っ張った部分を切り落としてから巣箱に戻します。
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